マーケット概況コメント（月間：2022年11月）

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【1】マーケット概況コメント（月間：2022年11月）

概況
11月の経済見通しは、株式や成長資産が前月からプラスの勢いを維持したものの、全体としては軟調に推移しました。

米国株式セクター
米国のインフレ率の低下を示すデータに対して投資家はポジティブに反応し、米消費者物価指数（CPI）が7.7％と2022年1月以来の前年比伸び率が最小となったことを受けて株価が上昇し、新興国株式が先進国株式を上回りました。市場では、インフレが今後も沈静化するとの予想が引き続き織り込まれ、米連邦準備制度理事会（FRB）は政策金利の引き締めを継続すると予想されました。パウエルFRB議長は、今後の利上げペースはそれほど積極的ではないとの見方を示したものの、インフレ率が依然として高すぎるため、FRBの政策スタンスはしばらく制限的な水準にある必要があると明言しました。

債券セクター
債券市場においては、11月は債券市場が力強く回復しました。国債利回りは軒並み低下し、クレジットスプレッドは世界的に引き締まりました。これは、インフレがピークに達したことで、FRBが金融引き締めを緩和する余裕ができたと投資家が判断した結果であると思われます。世界的に債券のパフォーマンスが向上したにもかかわらず、米国債のイールドカーブは反転したままであり、政策に敏感な2年物の利回りは10年物より高い水準で取引され続けました。さらに不吉なことに、FRBが好んで用いる景気後退指標である米10年債利回りと米3か月債利回りの差は、月間を通じてマイナスのままでした。これらは、11月を通じて市場心理が改善したにもかかわらず、今後経済が厳しい局面を迎えることを強く示唆するものです。

コモディティセクター
コモディティセクターでは、S&P GCSI商品指数は11月にマイナスリターンとなりました。エネルギーが指数の構成銘柄の中で最もパフォーマンスが悪く、エネルギーと農産物の価格下落を工業用金属と貴金属の上昇で相殺できなかったためです。ロシアがウクライナからの穀物の安全な輸送を認める協定に復帰したことで、小麦とトウモロコシの価格は下落しましたが、綿花、砂糖、ココアは堅調な伸びを示しました。工業用金属と貴金属はすべて上昇し、銀は金を大きく上回りました。

通貨セクター
通貨別には、リスクオン心理が安全資産への需要を減退させたことから、11 月は大幅にドル安が進みました。これは、金融引き締めペースの鈍化が予想され、米ドルが他の通貨に対して魅力的でなくなったためです。ユーロは再び１ユーロ＝１米ドル（パリティ）を上回り、ポンドは１ポンド＝1.20米ドルの大台に乗せました。暗号通貨として最も人気のあるビットコインは11月に暴落し、2年ぶりの安値を記録し、その価値は20%近くも下落しました。暗号取引所FTXの経営破綻は、多くの市場参加者に、デジタル暗号通貨コインは本当に妥当なのかと疑問を抱かせるものとなりました。

出所：Superfund Market Commentary – November 2022を和訳編集して記載

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