株式セクター
2026年3月のグローバル株式市場は、緊張の再燃を受けてボラティリティが高まり、投資家センチメントおよび市場パフォーマンスの主要なドライバーとなりました。年初に見られた慎重ながらも楽観的な見方は、2月28日に開始された米国とイスラエルによる対イラン共同軍事作戦「オペレーション・エピック・フューリー」を受けて後退しました。その後の紛争は、グローバルなサプライチェーンへの懸念を高め、エネルギー価格を押し上げ、月を通じてリスク資産の重しとなりました。株式市場は全般的に下落しましたが、地域によってパフォーマンスには差が見られました。米国株は下落したものの、多くの海外市場と比べて相対的に底堅く推移しました。S&P500指数は月間で約5.0%下落し、テクノロジー比率の高いナスダック総合指数も約5%の下落となりました。大型テクノロジー企業の相対的な底堅さや、リスク回避的な環境下でのドル建て資産への需要増加が、一定の下支えとなりました。
欧州株式も3月に大きく下落しました。エネルギー価格の上昇、地政学的な不確実性、経済成長への懸念が地域全体のセンチメントを圧迫しました。輸出依存度の高いドイツのDAX指数は月間で約10%下落し、フランスのCAC40指数も大幅な下落となりました。アジア市場は、輸入エネルギーへの依存度が高い国が多いことから、特に大きな下げに見舞われました。韓国のKOSPI指数は約19%下落し、日本の日経平均株価も約20%下落しました。投資家はエネルギーコストの上昇やサプライチェーンへの懸念に直面しました。両国とも半導体需要および生産に関する不確実性から追加的な圧力を受けました。2025年後半に日本株を支えていた投資資金の流入は、地政学的緊張の高まりとリスク選好の低下に伴い弱まりました。
債券セクター
2026年3月のグローバル国債市場は急落しました。インフレ期待の上昇と中東における地政学的緊張の激化を受けて、金融政策の見通しが再評価されたためです。米連邦準備制度理事会(FRB)による複数回の利下げ期待は大幅に後退し、イールドカーブ全体で利回りが上昇しました。FRBは月中に政策金利を据え置き、エネルギー価格上昇によるインフレ圧力と経済成長の鈍化の兆候とのバランスを見極める中で、慎重な姿勢を維持しました。米国経済は2026年に向けて減速しており、2025年第4四半期の実質GDP成長率は年率換算で約0.7%にとどまりました。このデータは、2025年10月から11月にかけての米国政府閉鎖の影響により公表が遅れていました。一方、失業率は3月時点で約4.3%と比較的安定していました。米国債利回りは全ての年限で上昇し、特に2年債利回りは40ベーシスポイント超上昇し、短期の政策見通しが大きく見直されました。長期金利も上昇し、国債価格は全般的に下落しました。
欧州では、中央銀行が慎重ながらも警戒感を強める姿勢を示しました。エネルギー価格の急騰や地政学的緊張の高まりによるインフレリスクを認識しつつも、直ちに金融引き締めに転じるシグナルは出しませんでした。欧州中央銀行(ECB)およびイングランド銀行はいずれも政策金利を据え置き、不確実性の高さと、インフレ上振れリスクと成長鈍化のバランスを取る必要性を強調しました。欧州債券市場は、インフレ見通しの見直しと金利の高止まり観測を受けて広範に弱含みました。ドイツの10年債、5年債、2年債はいずれも下落し、10年物国債利回りは一時、過去10年以上で最高水準に達しました。英国の国債も、持続的なインフレと金利見通しの変化を受けて下落しました。日本では国債利回りが数十年ぶりの高水準に上昇しました。10年物国債利回りは月中に約2.39%まで上昇し、月末も約2.34%と1999年以来の高水準で推移しました。これは、日本銀行によるさらなる金融政策正常化への期待の高まりを反映しています。
コモディティセクター
2026年3月のグローバル商品市場は大きなボラティリティに見舞われ、特に中東における地政学的緊張の急激な高まりを受けてエネルギー市場が価格動向を主導しました。ホルムズ海峡を通過する輸送ルートの混乱や地域のエネルギーインフラへの直接攻撃への懸念が、原油および天然ガス市場に大きな地政学的リスクプレミアムをもたらしました。原油先物は大幅に上昇し、WTIは50%超の上昇、ブレント原油も過去有数の強い月間パフォーマンスとなりました。ブレントは一時1バレルあたり100ドルを上回り、2022年以来の水準に達しました。天然ガス市場も同様に混乱し、イランによるカタールのラス・ラファンLNG施設への攻撃が影響しました。この攻撃により、カタールのLNG輸出能力の約17%が停止し、完全な復旧には3~5年を要すると見込まれています。主要インフラの損傷により、カタールエナジーは生産能力の低下と操業混乱により契約上の供給義務を十分に履行できない状況となりました。この事象は世界のLNG需給を大きく引き締め、特にアジアで影響が顕著となり、貨物の再配分やスポット価格の急騰を招きました。
貴金属は3月に下落し、金および銀はいずれも月間でマイナスとなりました。金は約11%下落し、銀は約19%下落しました。実質金利の上昇と米ドル高が、地政学的緊張下での安全資産需要を上回る逆風となりました。銀は工業需要や景気循環に対する感応度が高いことから、金を下回るパフォーマンスとなりました。ベースメタルも、世界経済の見通し悪化や金融環境の引き締まり懸念を背景に下落しました。銅は約8%下落し、エネルギー市場の混乱による製造業指標の悪化と需要見通しの低下が影響しました。一方で、アルミニウムは約10%上昇し、中東の地政学的緊張によるエネルギーコスト上昇が生産コストを押し上げたことが背景にあります。
為替セクター
為替市場は3月において顕著なボラティリティを示しました。金利見通しの変化と地政学的な不確実性の高まりが主因です。米ドルは、米国債利回りの上昇、FRBの政策見通し、対イランを巡る地政学リスクを背景に上昇しました。英ポンドは、ドル高と不安定なリスクセンチメントを受けて月間で約1.89%下落しました。日本円は高いボラティリティを伴う展開となりました。地政学的緊張の初期局面では安全資産として買われましたが、その後はエネルギー輸入コスト上昇の影響から再び弱含みました。日本当局は為替の過度な変動への懸念を表明し、必要に応じて対応する姿勢を維持しました。一方、市場では日本銀行の金融政策正常化の進展についての見極めが続きました。
暗号資産セクター
暗号資産市場は、長期間の変動の後、比較的安定した月となりました。ビットコインおよびイーサリアムはいずれも回復し、ビットコインは小幅な上昇、イーサリアムは7%超の上昇となりました。
出所:Superfund Market Commentary – March 2026を和訳編集して記載
スーパーファンド・インベストメント・グループでは、株式や債券に加え、コモディティ市場を重視した投資戦略も採用しています。個別リスクに一元的に左右される資産配分は、大きなリスクと考えており、リスクとリターンのバランス配分で優位なパフォーマンスを発揮する戦略に注目しています。本資料は、投資勧誘を目的として作成されたものではなく、あくまで情報提供を目的としたものです。一部主観や意見が含まれている場合もあります。投資信託等金融商品にかかる最終的な投資判断は、投資信託説明書(目論見書)や他の資料などを参考に、ご自身の判断でなさるようお願い致します。