株式セクター
グローバル株式市場は2026年5月も上昇基調を維持し、メガキャップ・テクノロジー企業の好調な決算と、人工知能(AI)テーマへの投資家の継続的な資金配分に支えられました。地政学的な不確実性や根強いインフレ圧力が続く中でも、センチメントは概ね底堅く推移しており、市場は引き続き「ソフトランディング」シナリオ、すなわちインフレの緩和と安定した成長が両立する展開を織り込んでおり、景気後退は想定されていません。
米国株式は再び世界市場のパフォーマンスを牽引し、主要指数は月中に過去最高値を更新しました。資金流入は引き続き大型テクノロジー株に集中しています。今回の上昇は主に企業業績のモメンタムと、AI関連投資および生産性向上への期待に支えられたものです。月間では、S&P500は約5.15%の上昇、ナスダック100は約10.49%の上昇となり、テクノロジーセクターの継続的なアウトパフォーマンスが際立っています。
欧州株式市場は2026年5月に緩やかな上昇を記録し、持続的なインフレ圧力や高止まりする債券利回りがある中でも、人工知能(AI)への期待と底堅い企業業績に支えられました。ドイツのDAX指数は3.34%上昇し、半導体メーカーのインフィニオンがAI関連技術への強い需要を背景に指数の上昇に大きく寄与しました。ユーロ・ストックス50指数も2.87%上昇し、欧州市場全体で同様のセクター支援が見られました。
一方で、基礎的な経済環境は依然として低調であり、ユーロ圏の企業活動は過去2年以上で最も速いペースで縮小しました。これは高騰するエネルギーコストと地政学的な不確実性が重しとなっています。各国市場のパフォーマンスにはばらつきが見られました。フランスのCAC40指数は、ラグジュアリーなど景気敏感な消費セクターへのエクスポージャーが高く、世界的な需要の弱さを反映して地域内で出遅れました。スペインのIBEX35指数は3.27%上昇し、金融や建設セクターの強さが寄与しました。これらのセクターは高金利環境やインフラ関連投資の恩恵を受けています。一方、英国のFTSE100指数は0.29%の小幅上昇にとどまり、エネルギー大手の弱さが、高成長テクノロジーセクターへの限定的なエクスポージャーを補えませんでした。
アジア株式市場は5月において世界の多くの地域を上回るパフォーマンスを示し、半導体、AIインフラ、高度計算技術に対する持続的な需要が追い風となりました。韓国のKOSPI指数は数か月にわたる力強い上昇をさらに伸ばし、メモリチップや半導体関連銘柄の継続的な強さに支えられて28%を超える上昇となりました。日本では日経平均株価が11.88%上昇し、TOPIXは6.17%上昇しました。輸出関連のテクノロジーおよび工業セクターを中心に幅広い上昇が見られました。両指数はAI関連産業における業績見通しの上方修正を背景に、月中に過去最高値を更新しました。
債券セクター
グローバル債券市場は2026年5月にボラティリティが高まりました。これは、地政学的環境の変化や経済指標の動向を受けて、投資家がインフレおよび金融政策の見通しを調整したためです。月初にはエネルギー価格の上昇が利回りの上昇圧力となり、特にイールドカーブの長期ゾーンで顕著でした。市場はインフレリスクや財政見通しを再評価していました。しかし、月後半にはインフレ圧力の緩和やリスクセンチメントの安定化を背景にこれらの動きは一部反転し、デュレーションへの需要が下支えとなりました。
米国債は他の先進国市場に対して相対的にアンダーパフォームしました。これは、底堅い経済指標の発表が相次ぎ、米連邦準備制度理事会(FRB)が慎重な政策スタンスを継続するとの見方が強まったためです。米国債価格はイールドカーブの大部分で下落し、特に長期金利は、成長およびインフレに対する感応度が高まる局面で上昇しました。
欧州国債は相対的に良好なパフォーマンスを示しました。ユーロ圏の経済モメンタムの鈍化を示すデータやインフレ懸念のやや後退を受けて、利回りは月初の上昇分を一部取り戻しました。イタリアやスペインなどの周辺国市場は、リスクセンチメントの改善を背景にコア国を概ね上回るパフォーマンスとなりました。
英国ではギルト市場が先進国の中でも比較的堅調に推移しました。インフレの鈍化や労働市場の弱含みの兆候を背景に、イングランド銀行が慎重な政策スタンスを維持するとの見方が支えとなりました。これにより英国国債への需要が高まり、イールドカーブの一部で利回りの低下につながりました。
コモディティセクター
グローバル商品市場は2026年5月においてまちまちのリターンとなりました。月後半にエネルギー価格が急落したことが、セクター全体のパフォーマンスの重しとなりました。商品市場は引き続き中東情勢に対して非常に敏感に反応しており、ホルムズ海峡は供給リスクと価格変動の重要な焦点となっています。
原油価格は、供給途絶の可能性に対する見方の変化を受けて、月を通じて大きく変動しました。月初には供給混乱への懸念から価格が急騰しましたが、その後は外交環境の改善やエスカレーションリスクの低下が報じられたことを受けてセンチメントが転換し、価格は下落しました。その結果、月初の上昇分の一部が打ち消され、原油価格は月の大半で110ドルを上回っていた水準から、最終的には100ドルを下回る水準まで下落しました。
貴金属はボラティリティの高い取引環境の恩恵を受けて上昇する局面もありましたが、実質金利の高止まりや米ドルの断続的な上昇を背景に、その後一部の上昇分を失いました。スポット金価格は最終的に月間で約1.68%下落しました。スポット銀価格も概ね同様の動きを示しましたが、工業用需要と貴金属需要の双方にエクスポージャーを持つことから、約2.10%の上昇と相対的に強いパフォーマンスとなりました。
一方、産業用金属は月を通じて底堅く推移しました。人工知能(AI)インフラの構築、再生可能エネルギーの拡大、電化の進展といった構造的な需要が下支えとなっています。銅やアルミニウムは、主要生産地域における供給制約が続く中で、安定した需要に支えられました。
為替セクター
為替市場は2026年5月においてボラティリティが高まりました。エネルギー価格の変動や中東における地政学的動向の変化、そして世界的な金利見通しの調整が影響しました。米ドル指数は月を通じて変動の大きい推移となり、当初は地政学リスクの高まりを背景に上昇しましたが、その後は市場センチメントの改善とリスク選好の安定化を受けて弱含みました。結果として、ドルは主要通貨バスケットに対して月間で0.95%の小幅上昇となりました。
ユーロは米ドルに対してやや下落し、月間で約0.6%の下落となりました。ユーロ圏の経済モメンタムの弱さが引き続き通貨に影響しており、総合サービスPMIは2023年後半以来で最も大きく低下しました。また、消費者センチメントも安定化の兆しは見られるものの、長期平均を下回る水準にとどまっています。
同様に、英ポンドも弱含む局面が見られました。投資家は、経済成長の鈍化と根強いインフレ圧力のバランスを見極めていました。インフレおよび労働市場データの軟化を受けて、イングランド銀行が追加の金融引き締めを見送るとの期待が高まりましたが、最終的にポンドは米ドルに対して約1.09%下落しました。
暗号資産セクター
暗号資産市場は2026年5月においてまちまちの展開となりました。月初はリスクセンチメントの改善や機関投資家の関心の継続に支えられて上昇しましたが、その後はマクロ経済の不確実性やリスク選好の変化が重しとなり、勢いを失いました。ビットコインは月中に一時上昇しましたが、後半にかけて上昇分を一部失い、最終的に月間で3.70%下落しました。イーサリアムも同様の動きを示しましたが、より高いボラティリティを伴い、より大きな調整となりました。イーサリアムは11.45%下落し、流動性環境や投資家のリスク選好の変化に対する感応度の高さが反映されました。
出所:Superfund Market Commentary – May 2026を和訳編集して記載
スーパーファンド・インベストメント・グループでは、株式や債券に加え、コモディティ市場を重視した投資戦略も採用しています。個別リスクに一元的に左右される資産配分は、大きなリスクと考えており、リスクとリターンのバランス配分で優位なパフォーマンスを発揮する戦略に注目しています。本資料は、投資勧誘を目的として作成されたものではなく、あくまで情報提供を目的としたものです。一部主観や意見が含まれている場合もあります。投資信託等金融商品にかかる最終的な投資判断は、投資信託説明書(目論見書)や他の資料などを参考に、ご自身の判断でなさるようお願い致します。