株式セクター
世界の株式市場は、2026年入りにあたり慎重なスタンスで取引を開始し、主要株価指数は、底堅い景気成長と、変化しつつある各国中銀の政策、および再燃する地政学リスクをにらみながら、まちまちの上昇となりました。米国株式市場は、月間を通して史上最高値圏付近で推移したものの、リターンは一様ではありませんでした。時価総額の大きいテクノロジー株が引き続き全体の成長をけん引した一方で、1月は市場参加者が大きく広がり、小型株や米国外の海外株式にも上昇が波及した月となりました。米国小型株へのシフトはラッセル2000指数に鮮明に表れており、同指数は月間で5%超の堅調な上昇となり、2025年半ば以来で最も強いパフォーマンスとなりました。一方、S&P500指数は、堅調な企業決算と、いわゆる「1月効果」に下支えされ、月間で1.37%の小幅な上昇となり、1月29日には一時的に、史上初めて7,000ポイント台に到達しました。
ユーロ圏の株式パフォーマンスはまちまちとなりました。投資家センチメントは、特に欧州最大の経済であるドイツとフランスの製造業セクターに内在する景気の脆弱性に対する懸念を背景に、慎重さが残りました。こうした懸念を反映し、ドイツのDAX指数は0.20%の小幅高にとどまり、フランスのCAC40指数は0.28%下落し、域内のパフォーマンスのばらつきを浮き彫りにしました。他方で、投資家心理は、約20年にわたる交渉の末に締結された欧州連合(EU)とインドとの画期的な通商協定の発表により、一定の支えを得ました。同協定は、EUの輸出に対する関税を最大40億ユーロ削減すると見込まれています。こうした環境下で、STOXX Europe 600指数は1月に3.18%上昇し、月中には過去最高水準を付けました。 ディフェンシブセクターおよびテクノロジーセクターの上昇がこれを支えました。 スペインのIBEX35指数は、2025年の力強いパフォーマンスに続き、金融サービス、不動産、建設・建築セクターの堅調な上昇を背景に、1月も約3.31%上昇し、域内のトレンドに逆行する動きとなりました。
アジア株式は、1月は他の先進国市場を上回るパフォーマンスとなりました。なかでも香港と上海の株式市場が大きく上昇しました。中国中央政府による前向きな政策や、さらなる支援への期待が広がったことで、市場に安心感が生まれ、株価の急反発が起きました。月末時点で、ハンセン指数は7.22%上昇し、MSCI中国指数も5.01%上昇しました。日本では、日経225指数が約5.9%の大幅な上昇となり、過去最高値圏まで上昇して、1月末には53,332.85ポイントで取引を終えました。これは、積極的な財政刺激策と継続的な企業改革が主な要因となっています。
債券セクター
世界の債券市場は1月、米国と日本での金利上昇に主導される一方で、他地域ではより抑制的で様子見ムードの強い展開となりました。市場は、まちまちなマクロ経済環境と再燃する地政学的緊張のなかで推移し、安全資産への逃避が断続的に発生した結果、年初からボラティリティの高い展開となりました。 米国では、想定を上回る強い経済指標に加え、財政の持続可能性や中央銀行の独立性を巡る懸念が強まり、債券売りが進みました。米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を3.50%〜3.75%で据え置き、政治的な圧力が高まるなかでも、これ以上の利下げを見送りました。慢性的な財政赤字への懸念や、グリーンランドを巡る紛争および新たな関税措置の脅威など地政学的な摩擦を受け、米10年国債利回りは年初の4.16%から1月末には約4.24%まで上昇しました。経済指標はまちまちな結果となりました。 米国の成長率は底堅さを維持したものの、その勢いには減速の兆しが見られました。 失業率は約4.4%近辺で推移し、消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率は2025年12月時点で約2.7%まで低下しました。1月に発表された米ISM製造業景況指数(PMI)は、2025年12月まで3カ月連続で景況感が悪化していることを示し、製造業セクターの弱さが続いていることを示唆しました。
欧州では、欧州中央銀行(ECB)が5会合連続で政策金利を据え置きました。 ECBは「インフレ率は中期的には2%の目標水準で安定する見通しである。世界的に厳しい環境のなかでも、ユーロ圏経済はなお底堅さを維持している」との見解を示しました。ドイツ国債利回りは、1月初旬にはイールドカーブ全体で大きく低下したものの、月末にかけて反発しました。 英国10年物ギルト利回りも月初から月半ばにかけて低下し、1月14日には4.336%と13カ月ぶりの低水準を付けましたが、これはイングランド銀行(BOE)による利下げ期待が高まったことによるものです。しかし、その後発表された予想を上回るインフレ率と賃金上昇率を受けて、利下げ期待が後退し、利回りの低下は巻き戻されました。日本国債(JGB)も、年初はボラティリティの高い展開となりました。財政支出計画や減税案への懸念から、当初は利回りが一時的に上昇しましたが、その後、インフレ率の鈍化が上昇圧力を和らげました。 1月下旬には、10年物JGB利回りは約2.25%で引けており、月初のボラティリティを反映しつつも、インフレの落ち着きに伴い上昇圧力は和らいでいます。日本銀行はイールドカーブ・コントロール(YCC)枠組みを維持しつつも、将来的な政策正常化に前向きな姿勢をにじませました。こうした微妙なスタンスの変化と財政の不透明感が相まって、市場では断続的な値動きが見られました。
コモディティセクター
商品(コモディティ)市場は年初、力強いながらも非常にボラティリティの高い展開となり、貴金属とエネルギーを中心に大きな価格変動が見られました。その背景には、高まる地政学的緊張、変化する米金融政策の見通し、および厳しい冬の気象条件がありました。金(ゴールド)の現物価格は、月末最終取引日に10%急落したにもかかわらず、1月通算では13%上昇しました。このラリーは、特に中国人民銀行による強力な金の買い越しが一因となっています。 地政学リスクは、米国によるベネズエラのマドゥロ大統領の拘束作戦や、トランプ大統領によるグリーンランド関連の関税措置の脅しなどにより、一段と高まりました。 金と銅はいずれも月中に過去最高値を更新しましたが、1月30日にセンチメントが急変しました。この日、銀(シルバー)は1980年以来となる一日の下落率を記録し、30%超の暴落となりました。この急落は、ケビン・ウォーシュ氏がFRB議長候補に指名されたことをきっかけに生じました。市場は、ウォーシュ氏のこれまでのインフレに対するスタンスを踏まえ、彼の指名をタカ派的なシグナルと受け止めました。これにより、より引き締め的なFRBの金融政策路線への懸念が高まり、米ドル高を招く一方で、貴金属価格には大きな下押し圧力がかかりました。もっとも、直近ではウォーシュ氏はややハト派寄りの姿勢を示しているものの、指名直後の市場の反応は、金融引き締め観測の高まりを色濃く反映したものでした。それでも、月末の急落にもかかわらず、銀のスポット価格は1月通算では18%超の上昇を維持しました。銅価格はロンドン金属取引所(LME)において史上最高値を更新し、1トンあたり14,000ドルを突破しました。 これは、2026年に33万トンの供給不足が見込まれていることに加え、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)などによる人工知能(AI)関連のデータセンター拡張に伴い需要が加速しているとの期待が背景にあります。 エネルギー市場も、地政学的な動向に対して非常に敏感な状態が続きました。原油価格は、世界的な緊張の高まりを受けて急伸し、ブレント原油は月間で16%超の上昇となりました。 欧州および米国の天然ガス価格も、予想を上回る寒波と貯蔵量の減少により急騰しました。
為替セクター
世界の通貨市場では1月、米ドル安が鮮明となり、投資家が「Sell America(アメリカ売り)」のテーマを鮮明に打ち出すなかで、ドルは約4年ぶりの安値圏まで下落しました。 ドル指数(DXY)は、将来的なFRBの利下げ観測、地政学リスクの増大、米国の債務および経済政策を巡る懸念の強まりを背景に、月間で1.21%下落しました。 ドル指数は重要なサポート水準とされた97.0ポイントを割り込み、1月27日には95.36ポイントの安値を付けました。これは、世界的な脱ドル化の加速と、グリーンランドを巡る政治的不透明感の高まりを反映した動きとなりました。ユーロは、2.0%で据え置かれたECBの政策金利と堅調なユーロ圏経済指標に支えられ、軟調なドルに対して上昇しました。 英ポンドも粘り強さを見せ、賃金上昇とサービス分野のインフレが根強く続いたことで、イングランド銀行(BOE)による早期利下げ観測が後退しました。日本円は1月、著しいボラティリティに見舞われ、1月27日には1ドル=152.10円と2024年7月以来の安値を付け、日本当局による口先介入を招きました。その後、為替介入の可能性に対する思惑が広がるなかで円は急速に反発しました。
暗号資産セクター
暗号資産市場は2026年の年初には深刻な混乱に見舞われました。マクロ経済の不透明感、伝統的資産およびデジタル資産双方が実態以上に高くなっていたこと、そしてポジティブな材料の不足が重なり、市場全体で売りが生じました。リスク回避ムードが再燃するなかで、ビットコインは約10%下落しました。
出所:Superfund Market Commentary – January 2026を和訳編集して記載
スーパーファンド・インベストメント・グループでは、株式や債券に加え、コモディティ市場を重視した投資戦略も採用しています。個別リスクに一元的に左右される資産配分は、大きなリスクと考えており、リスクとリターンのバランス配分で優位なパフォーマンスを発揮する戦略に注目しています。本資料は、投資勧誘を目的として作成されたものではなく、あくまで情報提供を目的としたものです。一部主観や意見が含まれている場合もあります。投資信託等金融商品にかかる最終的な投資判断は、投資信託説明書(目論見書)や他の資料などを参考に、ご自身の判断でなさるようお願い致します。