EU：隅っこの愚か者
ドナルド・トランプは、アメリカ史上最も成功した大統領の一人として名を残す可能性を秘めている。ただし、それはあくまで「米国の視点から見た場合」に限られる。
トランプは、敵味方を問わず各国に関税を課すことで、世界がこれまで経験したことのない激しい貿易戦争を引き起こした。事前の警告があったにもかかわらず、金融市場には動揺が広がり、株式市場は暴落。わずか2日間で、世界の株式資産から10兆ドル以上が失われた。
それでもなお、トランプの戦略は功を奏する可能性がある。短期的には物価上昇とインフレを招くかもしれないが、米国経済は強さを取り戻すだろう。国内生産品の需要は大きく高まり、トランプ政権の政策は国内の製造業を後押しし、数兆ドル規模の投資と数百万人分の雇用を生み出す原動力になると見られている。
また、軍事的緊張を背景とした新たな帝国主義の台頭により、トランプはすでにアメリカを有利な交渉ポジションに導いている。たとえば、計画中のウクライナとの原材料・エネルギー取引は、米国が過去の支援に対して莫大な見返りを得る一方で、欧州は財政的負担を強いられ、成果を得られない可能性が高い。
結果として、米国の将来は極めて明るいように見える。一方で、我々ヨーロッパは愚かにも傍観者の立場に追いやられ、最も多くを失い、最も深く苦しむ立場に置かれている。少なくとも、こうした要因を踏まえた上で資金を投資する判断を下すべきだろう。
クリスチャン・バハ
スーパーファンド創立者からのゲストコメント
（＊2025年4月6日（日）記事を翻訳編集）
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