2028年トランプ大統領再選への憶測
4月24日より、トランプ公式ストアでは「Trump 2028」と書かれた赤いキャップが50ドルで販売されている。これにより、ドナルド・トランプが3期目の大統領就任を狙っているのではないかという憶測が広がっている。
しかし、現行のアメリカ合衆国憲法では、これは明確に禁止されている。憲法修正第22条は、大統領の任期を2期までに制限している。この条項は、フランクリン・D・ルーズベルトが1933年から死去する1945年まで12年間在任し、史上唯一4選を果たしたことをきっかけに制定された。それ以前は、ジョージ・ワシントン以来すべての大統領が自発的に2期で退任していた。
トランプ氏はこれまでにもたびたび長期政権への意欲を示してきた。3月には「方法はあるが、今はその時期ではない」と語りつつ、憲法修正第22条を尊重する姿勢も強調している。
一方で、世界的には権威主義的な体制への傾斜が顕著になっている。たとえば中国は2018年に、ロシアは2020年に、それぞれ大統領の任期制限を撤廃した。戦争や社会不安の中で、人々の間に「強い指導者」への渇望が生まれ、それが権威主義的リーダーを支持する世論へとつながるケースも増えている。時に、ひとつの既成事実が憲法改正の流れを生むこともある。
アメリカで憲法を改正するには、議会での提案または全米50州のうち3分の2以上の州（現在は34州）の同意が必要であり、さらにそのうち4分の3（38州）の批准が求められる。現在、50州中28州が共和党によって統治されており、「Trump 2028」がまったく非現実的とは言い切れない状況にある。
クリスチャン・バハ
スーパーファンド創立者からのゲストコメント
（＊2025年5月25日（日）記事を翻訳編集）
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