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ユーロファイター戦闘機購入の記憶がよみがえる
クリスチャン・バハ
The Column
2025/07/29

ユーロファイター戦闘機購入の記憶がよみがえる

オーストリア政府は、財政再建に向けて今後数年間は厳しい局面を迎えると発表した。政府は国家財政の赤字削減に向けて大規模な歳出削減策を導入するとし、国民全体がその負担を公平に分かち合うと約束している。

しかし一方で、政府内部の関係者によれば、オーストリアは財政圧力が強まる中でも国防予算の増額を進めているという。2025年の国防費は47億ユーロ(前年比18%増)、2026年には51億ユーロに達する見込みである。こうした方針は一見理にかなっているようにも思えるが、5月13日に公表された国防報告書を読むと、失望を禁じ得ない。

オーストリアは、イタリア製のジェット練習機「Leonardo M-346FA」12機を総額約10億ユーロで購入する計画である。これらは老朽化したSaab 105OEの後継機として導入され、パイロットの訓練に加え、地上部隊支援や領空防衛にも使用される。ロジスティクス、訓練、武装などを含めた価格は、1機あたり約8,400万ユーロと非常に高額であり、他国の調達価格と比べても割高である。たとえばナイジェリアは同機種を4,200万ユーロで、ポーランドは3,000万ユーロで取得している。またポルトガルは、よりコスト効率の高い「A-29N スーパーツカノ」を1,700万ユーロで導入する道を選んだ。

財政危機の最中にあって、オーストリア軍はむしろ最も高価な航空機を導入しようとしている。その契約は「政府間取引」として進められているが、価格の透明性やロビー活動の影響に対する懸念が上がっている。過去に問題となった「ユーロファイター」購入時の不透明な経緯を想起させるものであり、今回の契約も同様の疑念を呼び起こしている。

このような巨額の軍備投資が果たして正当化されるのか、議論は続いている。

クリスチャン・バハ
スーパーファンド創立者からのゲストコメント
(*2025年5月18日(日)記事を翻訳編集)


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