金(ゴールド)は“安全資産”以上の存在に
──Central Bank Gold Reserves Survey June 2025より
先月、地政学的緊張と経済的不確実性が続く中、中央銀行の金(ゴールド)保有に関する注目すべき調査結果が発表されました。
調査によれば、今後1年間で世界の金準備はさらに増加すると見込まれており、金の保有比率を減らす計画を持つ中央銀行は一つもありませんでした。
■中央銀行の95%が「金を増やす」と回答
世界各国の準備資産マネージャーを対象とした「2025年中央銀行の金準備に関する調査」では、95%が中央銀行による金保有の拡大を予測(図1)し、43%は実際に金を増やす具体的な計画(図2)があると答えています。
これは、金が単なる「安全資産」ではなく、戦略的なコア資産として認識されていることを示しています。

引用: Central Bank Gold Reserves Survey June 2025より弊社編集

引用: Central Bank Gold Reserves Survey June 2025より弊社編集
■なぜ中央銀行は今、あらためて金を重視しているのか?
金支持の背景には主に以下の3つの理由があります。
1.経済危機や市場混乱時における安定性
2.長期的な価値保存と資産分散の有効性
3.インフレヘッジとしての役割、すなわち“価値保存手段”
調査では85%の中央銀行が「過去の経済危機における金の実績」を重視し、81%が「分散効果」、80%が「価値保存機能」を評価していることも明らかになりました。

引用: Central Bank Gold Reserves Survey June 2025より弊社編集
■米ドルへの不信と国内保管のシフト
さらに、従来の基軸通貨である米ドルへの信頼が揺らいでいることも浮き彫りになりました。この影響で、各国中央銀行は自国通貨建てで国内に金を保有する動きを活発化させています。これは為替リスクの軽減と政治的自律性の確保を目的としたものです。
■多極化する世界と金の戦略的再評価
世界の金融構造は米ドル一極支配から多極化へと移行しつつあり、中央銀行は単に金を保有するだけでなく、「なぜ」「どのように」保有するかについて、より戦略的かつ意図的な姿勢を取るようになっています。
後押しするトレンドは以下の通りです。
1.米ドル離れの進行
2.地政学・経済リスクへのヘッジ需要
3.強靭かつ多様化した準備資産ポートフォリオの構築
「市場の不確実性と変動の高まりが、投資家や中央銀行に予測困難な状況への備えとして金を選ばせている」と言えるでしょう。
■金は「第三者リスクなき」中立的資産
現代の国際金融環境では、通貨の安定性や国家の信用、貿易秩序さえも揺らいでいます。そんな中、金は中立的で流動性が高く、第三者(国や企業など)の信用リスクに依存しない数少ない“純資産”として、存在感を増しています。中央銀行が金を再評価している事実は、個人投資家にとっても見逃せない動きです。
「なぜいま、金なのか?」──その答えはここにあります。
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