概況
米国経済は、貿易赤字の拡大と政府支出の減少により、2021年第1四半期の年率6.9%という好調な成長率に比べ、2022年第1四半期は1.4%の成長鈍化を記録しました。ユーロ圏では、4月にインフレ率が過去最高の7.5%に達し、欧州経済はウクライナ侵攻に起因する経済的困難と経済の先行き不透明感に直面しています。さらに、パンデミックの進行も背景にあり、中国における “Covid-19 “ロックダウンは、世界の石油需要を低迷させる可能性があります。欧米の制裁措置の可能性を受けて、中国最大の海洋石油・ガス生産会社である中国海洋石油総公司(CNNOC)は、英国、米国、カナダでの操業を停止する計画を発表しました。
株式セクター
4月は、S&P500、ダウ平均、ナスダックの各指数が大打撃を受け、2020年3月以降で最悪の月間パフォーマンスを記録しました。一方、金利上昇、世界情勢不安、高止まりするインフレの影響を受け、ハイテク株比率の高いNASDAQは2008年以来最大の月間下落率を記録し、CBOEボラティリティ・インデックスで測定した市場の変動率は急上昇して月末を迎えました。中国のゼロCOVID政策は、上海で経験したような閉鎖的な措置が北京でも取られるのではないかという懸念を株式市場内で煽っています。北京の住民が必要な物資を確保しようとする中、集団検査の開始でスーパーの棚が空になり始め、中国株は低迷しました。スーパーファンドのグリーンファンド、レッドファンド、システマティック・オールウェザーファンドのポジションは、世界株式の下落基調を完全には織り込んで調整しておらず、全体としてマイナスのパフォーマンスとなりました。CME_mNasdaq100IXとCME_mSP500_IXのパフォーマンスの低さは、スーパーファンドのシステマティック・オールウェザーファンドの全体のパフォーマンスに大きく影響し、HKG_HShare_IXポジションはスーパーファンドのレッドファンドのパフォーマンスには影響を与えませんでした。
債券セクター
世界の債券市場は引き続きインフレ懸念に引きずられ、沈降しました。食品、住宅建設、燃料コストの上昇が続く中、オーストラリアの消費者物価は前期に過去20年で最速のペースで上昇しました。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、インフレを確実に抑制するため、手の届く範囲であらゆる資源を活用するというFRBの確固たる姿勢を改めて強調し、FRBが利上げペースを速めるとの見方から米国債利回りは上昇しました。一方、投資家は5月の追加利上げに備え、2000年以降で最も積極的な引き締めとなる可能性があると身構えています。スーパーファンドのグリーンファンドは、EUREX_Euro_Bundのポジションで素晴らしいパフォーマンスを見せました。一方、スーパーファンドのレッドファンドとシステマティック・オールウェザーファンドは、CBT_US_T-BondとCBT_10yr_T-Noteのポジションで、特に国債金利上昇が不利な結果となりました。
コモディティセクター
コモディティーセクターでは、ロシアのウクライナ戦争により、世界的にエネルギーコストと食料コストが上昇し、途上国の食料不安の懸念が高まりました。大豆油は、パーム油の主要輸出国であるインドネシアが国内価格に歯止めをかけるためパーム油の輸出を禁止したことで、年初来の高値になりました。エネルギー分野では、ポーランドとブルガリアがロシアからルーブル建てで燃料を購入することを拒んだため、ロシアは天然ガスの輸送を停止し制裁のターゲットとなりました。さらに、国際通貨基金(IMF)は世界金融安定化報告書を発表し、ロンドン金属取引所がニッケル価格の高騰を抑えるために採用した衝撃的な措置が「自由で公正な市場」に損害を与える可能性があると非難し、世間から厳しい目で見られることになりました。全体として、3つのファンドすべてが、4月の商品の不安定な動きのトレンドに乗り切れず、スーパーファンドのグリーンファンドでは、大豆油が最も低いパフォーマンスとなりました。
通貨セクター
通貨セクターでは、スーパーファンドのグリーンファンドとシステマティック・オールウェザーファンドのポジションがすべてプラスリターンとなった一方、スーパーファンドのレッドファンドのポジションは、米ドル高を背景に米国の金利上昇が世界的に懸念されたことで、アンダーパフォームしました。南アフリカランドは、停電、大洪水による被害、Covidの陽性率の上昇が同国経済の見通しを圧迫し、米ドルに対して下落しました。オーストラリアドルは、インフレ圧力に後押しされ、2ヶ月ぶりの安値から上昇し、4月を終えました。日本円については、鈴木俊一財務大臣が「為替市場の動きを強い警戒感を持って見守っている」「為替レートの決定は市場次第」とコメントしましたが、円安が進み2002年以来の安値となったため、円の保護にはつながりませんでした。暗号通貨も今月は大きな打撃を受け、ビットコインは14%、イーサリアムは13%下落しました。
出所:Superfund Market Commentary – May 2022を和訳編集して記載
弊社では、個別リスクに一元的に左右される資産配分が根源的なリスクと考えており、弊社のマネージドフュチャーズはリスクとリターンのバランス配分で優位なパフォーマンスを発揮する戦略(プロダクツ)を揃えております。弊社ではトレンドフォロー戦略により変化の兆しをいち早くキャッチできるよう、多種多様な情報を織り込んでシステム化した投資戦略に取り組んでいます。「システマティック・オールウェザー戦略」がその代表例です。
ご参考)次世代の革新的バランスファンド「システマティック・オールウェザー戦略」どのような経済環境下でも安定したリターン獲得を目指した革新的バランスファンド
スーパーファンドは、オールウェザーポートフォリオ、シャープパリティ、トレンドフォロー等の戦略を組み入れた次世代のバランスファンドを設定いたしました。ファンドでは、独自のコンピューターシステムにより完全自動化トレーディングにより、ポートフォリオ構築とリスク解析を行いながら、日々、機動的なリバランスを実行いたします。
実現した、安定的な運用実績2020年1月以降
注)システマティック・オールウェザー戦略は、2020年1月よりスタートしました。