1,010億ユーロが無駄に
EU会計検査院の特別報告書13/2025は、現在の欧州連合の指導体制の失敗を鮮烈に浮き彫りにする、まさに“爆弾”のような内容である。無責任な政治家たちは、将来世代に莫大な借金を背負わせたのだ。
2020年5月18日、ドイツのアンゲラ・メルケル首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、パンデミック後の復興を支援するため、EUとして初めて債務を負う構想を提案した。わずか9日後には、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が、7,500億ユーロ規模の債務プログラムを発表する。
しかしながら、EU設立時の条約では、共同債務は明確に禁じられていた。それにもかかわらず、2020年7月27日、欧州の首脳たちはこの“モンスターパッケージ”をEU理事会で承認した。しかも「7,500億ユーロ」という額は過小に見せかけられており、これは2018年の価格基準によるもので、インフレ調整後の実質的な現在価値では9,750億ユーロにも達する。
これまでに実際に支出された金額は3,040億ユーロに上る。これに対しEU会計検査院が行った監査結果は、まさに壊滅的だった。支出の効果が不明確なまま資金が配分されており、透明性の欠如、杜撰な管理、高い誤り率が指摘された。加えて、長期的な成果の検証体制も整っていない。
実に1,070億ユーロが不適切な支出であったとされる。そしてこれは、私たちが2058年までに返済しなければならない借金の一部にすぎない。
極めて重い現実である。だが、「Next Generation EU」という名のスープを煮込んだ当時の政治家たちは、その責任が問われる頃には、すでにもう存在していないだろう。

クリスチャン・バハ
スーパーファンド創立者からのゲストコメント
(*2024年5月11日(日)記事を翻訳編集)
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