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金の旋律(しらべ)

リスクヘッジ資産としてのプレシャスメタル

第2回 金の旋律(しらべ)

リスクヘッジ資産として注目を集めるプレシャスメタル(貴金属)。その実力はいかに?――世界株式市場の値動きと比較して検証しました。

【リスクヘッジ資産としてのプレシャスメタル】

地政学的・政治的リスクの増大により、世界の株式市場はますます不安定になっています。こうした不透明な環境下で、「金」をはじめとするプレシャスメタルがリスクヘッジ資産として注目を集めるようになってきました。

■プレシャスメタルと株式(過去20年間)の相関関係について

金・銀・プラチナなどのプレシャスメタルと株式市場との関係性について、過去20年間のデータをもとに分析しました。主なポイントは以下の通りです。

・相関性は限定的:プレシャスメタルと株式は、長期的に見ても強い相関は認められません。つまり、株式市場の上昇局面でも上昇するとは限らず、株式市場の下落局面でも金価格は下落するとは限らないのです。

・分散投資に有効:相関が低い資産を組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを抑え、安定性を増すことが可能です。加えて、何らかのリスクが顕在化した場合には、「金」が「安全資産」として買われやすい傾向があります。

・経済不安時に強さを発揮する:リーマンショック(2008年)やコロナ禍(2020年)などの危機的状況においては、金が上昇するケースが目立ちました。一方、銀やプラチナは工業用途が多いため、景気変動の影響を受けやすい特徴があります。

金とその他の資産との相関係数の推移(出典:スーパーファンド作成、グラフは対数表示)

■ 投資戦略としての活用

金などのプレシャスメタルをポートフォリオに組み入れることは、市場の急変動に備えるリスクヘッジに効果的である可能性が高いと考えます。ただし、相関係数は市場環境や期間によって変動するため、継続的なモニタリングが重要です。

■ 相関係数とは

相関係数は、異なる資産の動きがどれだけ連動するかを示す指標です。
その範囲と意味は以下の通りです:

+1:完全に同じ方向に動く
0:値動きに相関性がない(無関係)
-1:完全に逆方向に動く

プレシャスメタルと株式の相関係数が低いということは、互いに補完し合う資産であることを示しており、分散効果を高めるうえで有効であるといえます
プレシャスメタルの特性を理解し、今後の資産配分にぜひお役立てください。

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