茫然自失
「長年にわたる誤った政策に必要な修正」——これは、ホワイトハウスが発した、超大国による前例のない急進的な方向転換の説明である。ドナルド・トランプは、これまで親切に支援を続けてきたウクライナの大統領ヴォロディミル・ゼレンスキーをホワイトハウスに呼び寄せ、総額1,200億ドルにのぼる支援の見返りとして、和平交渉への着手を期待していることを明言した。
ゼレンスキーがこれに反発すると、まるで無知な小学生のように冷たく突き放された。その後、彼はトランプに対して謝罪を余儀なくされた。アメリカ大統領は、複雑な外交ではなく明確な「取引」を重視する。これを受け入れられない者は、ただ呆然と立ち尽くすしかない。
ヨーロッパの指導者たちもまた、困惑のなかで自分たちの得意分野に逃げ込んでいる——借金だ。しかし、既存の法的枠組みの下で新たな債務を負うことはもはや難しい。だからこそ、EUサミットではルールそのものが書き換えられた。再軍備のための支出が債務にカウントされないという新たな取り決めは、もはや公然たる自己欺瞞に他ならない。
EU諸国は、オーストリアの国家予算の3倍を超える、総額8,000億ユーロを追加で軍備に投じようとしている。この新たなEU軍拡資金は、今後何世代にもわたって市民に重い負担を強いるだけでなく、中立を国是とする国々にとっては理念そのものを揺るがすものだ。
ちなみに、ポーランドの政府首脳は「ヨーロッパは軍拡競争に勝たなければならない」とまで発言しており、フランスの大統領はヨーロッパ全域への核ミサイル配備を望んでいるという。こうした主張が今や議論の俎上にあること自体、注目に値する。

クリスチャン・バハ
スーパーファンド創立者からのゲストコメント
(*2025年3月9日(日)記事を翻訳編集)
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